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2016.06.02 Thursday 10:13

美しい湖と河川のためのダイビング

 









SAET(The Swiss Association of Environmental and Trash Divers=環境保護とゴミ処理 のスイスダイバー協会)はスイスの水域から廃棄物を全て取り除くことを目的に活動しています。
 昨年夏に17名のダイバーが協力して集めた“戦利品”の種類は多岐に渡る。自転車、車やトラクターのタイヤ、車のハンドル、
ストーブの煙突、冷蔵庫、庭用のベンチ、銃弾、石油ドラム缶、ペンキ缶、おびただしい数のガラスやペットボトル、空き缶などです。「人々の自然に対する無責任な行動にショックを受けたよ」と、SAETの設立者であり理事であるトマス・ニーデラーは語る。「色々と考えさせられるね。」 換気システムの取り付けを本職としているニーデラー(45歳)は、2008年にギリシャでビギナーコースからダイビングを始め、現在ではインストラクターになるべくトレーニングをしている。彼にとって、ダイビングは今や趣味にとどまらず環境保護活動になっている。「リラックスするためにダイビングを始めたけれど、水に沈むものを目にした時はそれどころじゃなかったね。」 ダイビングは使命のようなものだと彼は言う。「社会が生み出した廃棄物やゴミが水に沈んてるという事実から、目を背けることはできない。見なかったことにして泳ぎ去るなんてとてもできないよ。」
 
始まったばかり
 スイスには1500もの湖があるが、ニーデラーは当面20名以下のボランティアで清掃活動を続けていけると考えている。この活動はまだ始まったばかりだからです。「この団体が発展をつづけ、環境に関心があるダイバーにも刺激を与え続ければ、すぐに50人、100人とボランティアは増えるはずだ。さらに数年後には250〜500名ほどに拡大することも期待できるかもしれない。」
ルツェルン湖だけでも岸は170kmに及び、それをカバーするには1200名ほどのダイバーが必要になると二ーデラーは考えています。SAETのダイバーは毎日潜っているが、200年続けても終わらないほどの作業量です。「世代を超えての一大プロジェクトだよ。」と彼は言う。「僕には20歳の息子がいるんだけど、最近一緒に潜り始めたんだ。彼はこの先50年は潜り続けてもらわないとね。そうしたら、また他の人たちが彼の後にきっと続いてくれるはずだ。」

 
支援
 彼らは今、いくつかの州と密接な関係を築いています。「我々はこの仕事を無償のボランティアとして行っているから、引き上げたゴミの処理にお金は払えない。だからこそ公的期間の支援や協力が必要になる。」ニーデラーは様々な事務所と話し合いを続けているが、自分たちの理念について彼らが非常に賛同してくれているということに、驚きと共に喜びを覚えるといいます。
 ここ数週間で、ダイバー達はルツェルン湖畔にある五つ星のパレスホテルとウィルヘルム・テル船上レストランと協力し、一大プロジェクトを成功させた。この2地点の間に沈むあらゆる種類のゴミを、全て取り除きました。「何より素晴らしかったのは、ルツェルン・ツアーの取締役、マルセル・ペレン氏が我々の活動と取り除いたゴミの山を見届けてくれたということだ。」と二ーデラーは胸を張りました。
 
資金を求めて
 SAETのメンバーには皆、それぞれの仕事があります。「それでも、この活動は我々にとって重要だから週に1,2回は集まるよ。平日の夜、仕事が終わってからか週末に、ゴミ収集に出かけているよ。」
 皆ボランティアで活動をしているが、ダイビング器材やスーツにはお金がかかります。「これまでは器材やスーツにかかる費用は全て、会費で賄うか各自が負担をしてきた。最重要事項である安全面の確保にも費用がかかるが、スポンサーや支持者が現れるのを待ってはいられない。それくらい、この活動は我々にとって重要なんだ。」
 それでも、スポンサーシップは大歓迎だ。州や地方自治体、民間企業が支援をしてくれるのなら、間違いなく非常にありがたい。「それから、我々は清掃や調査用のダイビング、また捜索や回収のためのダイビングも請け負っているよ。100メートルまで潜ることができる。」
 
考え方の変化
 二ーデラーは“どうしようもない理想主義者”や、“エコロジー原理主義者“などと呼ばれることもあるが、本人は全く気に留めていない。「そういった形容詞は僕には全く当てはまらないよ。単に、ダイビングが環境に対する僕の考え方を劇的に変えたというだけだ。元々は僕だって環境のことになんて全く関心がない人間だったけれど、ダイビングが一夜で僕を変えたんだよ」
 彼は、人々は水中世界が人類の生活の基礎であることに気付くべきだ、と考える。「そのことに気づくと、自らの考え方は必ず変わるよ。」
  
湖畔へのアクセス
 2007年の調査によると、スイスの人々の61.4%が、湖畔に自由にアクセスしたいと回答しています。この比率は、フランス語圏では71.6%まで上がり、逆にドイツ語圏では58%に下がる。そして若者の間では80%という結果になっています。Rives Publiques(リブ・パブリーク=湖畔を自由に行き来する権利を求める、スイスの非営利団体)によると、スイス湖畔の道路の公民の権利は、連邦や州の複雑な法律やルールによって管理されているが、そういったスイス民法は覆されることはありません。1982年6月、ベルン州の人々は湖や河川の周辺に自由にアクセスできるという構想に賛成し、投票を行った。そして、不完全ながらも法律は施行されました。
 チューリッヒ、ジュネーブ、コンスタンスの湖のうち、その湖畔を人々が自由に行き来できるのはたった50%と言われています。ビール湖やトゥーン湖には一般の人々がアクセスできる海岸線があります。
 ヌシャテル湖は模範的で、マラン=エパニエからヴォー州との州境まで、人々が行き来できる道が海岸線にあります。

参考サイト:swissinfo.ch

http://www.swissinfo.ch/eng/diving-for-clean-lakes-and-rivers/29305080
(Translated from German by Thomas Stephens)

(訳:大谷装子)

 
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